2014年04月06日

奈良 石上神宮の桜

石上神宮のある天理市杣之内(そまのうち)あたりは山の辺の道のなかでも最も豊かな自然が残る。神宮の背後の山は神域として立ち入ることが禁止されていて、太古から続く自然の姿が今に保たれている。千数百年もの年月、人と神の接点の地として守り続けられた森が放つ霊気は確かに人の侵入を強く拒んでいる、ように感じさせる。
 
 s-P3305806.jpg

この日は午前中まで前夜からの雨が残る天気で、晴れの日なら花見会場の神宮記念公園は人でごった返し喧騒に溢れているだろうに、ぼんぼりに灯の入る時分になっても人の姿はなくただ静けさだけが漂う夕暮れ。人気のない花見の場はただただ寂しい。

 s-P3305784.jpg

神宮のすぐ前を走る奈良県道51号線の西側の地域には幼稚園から大学まで天理教会が経営する文教地区が南は旧国道25号まで拡がる。布留川を挟んだ北側の地域は教会本部や病院、付属する組織の建物群が分散し、さらにそれの周りを統一されたデザインの住宅や宿舎ビルが取り囲む。学園都市というより完全なる宗教都市の様相だ。

 s-P3305795.jpg

二連煙突が印象的な天理大学の建物を撮っていると、先刻公園で声をかけてきた青年が「この景色大好きなんです」とまた話しかけてきた。「遠くに見える山並が故郷の熊本の景色とそっくりなんです」と。熊本へは行ったことがないので彼が見ている景色がどんな感じのものなのかその時は想像できなかった。改めて地図をみると、熊本市は西、北、東の三方をなだらかな山々に囲まれ、確かに奈良盆地から見る山並に似ているように思える。奈良の山並を見るにつけ五百q以上も離れた故郷を思う気持ちとはどんなものなのだろう。きっと彼の眼には熊本の山並に沈む夕日が見えているのだろう。なんだか無性に熊本へ行ってみたくなった。
(平成26年3月31日撮影)

 P3315815天理の朝.jpg
 天理市街を臨む
 


posted by ハマー at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 山の辺の道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。