2013年07月13日

法隆寺夢殿夏の影絵


午前八時の開扉とともに法隆寺東院伽藍に入った。朝から夏の強い陽射しが照りつける。
東の回廊、連子窓から射しこむ朝陽が足下に梯子状の模様を描く。このデザインは朝だけのもの。冬に来たときに比べて半分程度の幅しかない。夏の太陽はすでに空に高い。

 s-P7064641夢殿回廊朝陽.jpg

夢殿前の石板に残った打ち水に、八角屋根の庇瓦が影を落としていた。小さな風鐸がわずかな風に揺れて高い音を鳴らす。人気のない東院の中庭に小気味よく響く。 

 s-P7064661夢殿梅雨空.jpg

引かれたばかりの砂熊手の箒目に尖った八角屋根が影を落とす。このデザインも朝一番に訪れたものだけが目にすることができる。この横線、一時間もしないうちに参拝者の足に踏み乱されてしまう。

 s-P7064669八角円堂夢殿の甍.jpg

七月の雨にけぶる夢殿を撮りたくてまた奈良を訪れたのだが、今年の梅雨はあっけなく明けてしまったようだ。明日もあさっても雨は望めそうにない。気を静めて風景の中に入り込もうとしてもどうしても一体感に至らない。撮影を諦めた時、地に写しだされた夢殿の影が心の中に染入ってきた。写真家土門拳が心眼という事をよく言っていたが、確かに無の境地の中で見えてくる時がある。
posted by ハマー at 08:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 斑鳩・生駒 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
拙ブログにコメントを頂きまして有難うございます。それでこちらに御挨拶させていただきました。以前よりこちらを存じ上げており、時折読ませて頂いておりましたので。今後とも興味深い写真と記事を楽しみに致しております。
Posted by ほしの at 2013年07月15日 00:01
ほしの様コメントありがとうございました。「気分はコクジン」および「別館」は以前から見ていましたよ。素晴らしい、力強い文章です。今後も期待します。
夢殿は意味深な建物ですが、景色としてとらえるに難しい被写体です。中庭の桜が咲く五月に来年もう一度チャレンジしたいと思っています。
Posted by 浜四津成信 at 2013年07月15日 11:36
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