2012年03月15日

山の辺の道 一本の木

山の辺の道の天理と桜井の市境に一本の気になる木がある。株元から三本に幹分かれしているが一本
の木である。冬でも葉を落さないところを見ると常緑樹と分かる。葉の色形や木肌の模様から推して
クスノキと思う。

初めてこの木の存在に気が付いたのは一昨年の春四月のこと。景行天皇陵後円部の壕端近くの山の辺
の道で菜の花の咲く景色を撮った時だった。初めてそこに一本の木が立っていることに気付いた。

 s-P4214995景行天皇陵の一本の木.jpg
 一本の木 春

かつては畑地であっただろうと思われる荒野原に独り立つその姿に何か惹かれるものを感じた。あれ
から二年、春夏秋冬そこを通るたびに写真を撮り続けているが、何故こんなに惹かれるのかその理由
をいまだ見つけることができない。ただ何故そこに立っているのだろうかという思いは一段と強くな
っている。

 s-P2160106景行天皇陵地殻の独り木.jpg
 一本の木 冬

初めは、飛ぶ鳥の落とした種子から一人生えしたものと思っていたが、どうもそうでもなさそうだ。
その木の株元を見ると、直径2m、高さ1mくらいに盛り土がされていて、その中央からその木は生え
ているのだ。つまり、誰かが、意識してその場所に植えたということになる、のではないか。

地元の人にこの木のことを聞いてみたが、その木の存在すら知らなかったり、あることを知っていて
もそれ以上のことは知らないようだ。

 s-PA192922一本の木.jpg
 一本の木 秋

クスノキは楠とも樟とも書くが、楠の字はその木の分布が日本列島の南、本州西部から四国・九州の
地域にひろがっていることに由来する。樟の字の方は、「薬(樟脳)の木」を語源とする説もある
が、枝葉に特異な芳香を持つことから、「臭し(くすし)」が「クス」の語源となったという説の方
が適当と思う。実際に木の葉をちぎって臭いを嗅ぐとニッキのような香りがする。嫌な臭いではな
い。防虫剤の樟脳(しょうのう)の臭いとは違う。
  s-P3140419白梅と一本の木.jpg
 一本の木 梅花早春

樟の字のつくり「章(しょう)」を辞書でひくと、「死霊が家に戻ってきて入るのを防ぐため、出棺の
あと門戸に注連縄(しめなわ)を引き渡すこと」という意味がある。必ずしも樹の臭いをあらわす字で
はないことが分かる。
どうもこの「章」の字に、その一本の木がそこにあるわけをひも解く鍵があるような気がしている。
posted by ハマー at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 山の辺の道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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