2009年08月15日

夏の奈良 古寺を彩る百日紅

夏の奈良 古寺を彩る百日紅


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元禄の歌人 炭太祇(たんたいぎ)の俳句に、
さるすべり寺中おほかた見えにけり
という一句がある。
江戸の人炭太祇は、他界するまで晩年の10年を京都市島原に住み付いたとある。
島原は京都市の中心部。どちらに向かっても寺院・神社に行き当たる。
そういう環境にあって、寺の多さと必ず目にする「さるすべり」の花を、やれやれと
ばかりに詠んだのだろうか。


奈良の寺でも、さるすべりをよく目にする。
さるすべりは、日当たりと水はけの良い場所を好む。
寺の境内はさるすべりが育つ環境としてうってつけなのだ。
それに加えて、どちらかと言うと緑濃い陰鬱な印象をよく和らげてくれる。
「さるすべり 寺にかんざし 化粧かな」 
一句できた ! 

東大寺講堂跡の百日紅
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さるすべりの落花を食べる鹿
鹿はさるすべりの花びらが大好物だ。さるすべりは花びらが「散る」というよりも
2〜3cmくらいのかたまりが風に煽られて「ぽと〜り」と木の周りに落下する。
だからハンバーガーかカスタネットのような鹿の口でも食べやすいのだろう。



散れば咲き散れば咲きして百日紅」 加賀千代女の句。
百日紅の花期は長い。早い木では七月中旬から咲き始め、蕾が次からつぎと上がってきて
咲き続ける。一本の木の花期は一ヶ月半程度と思うが、時期をずらしながら、他の木が
つぎ次と十月頃まで咲き続く。まさに百日紅なのだ。


鴟尾と百日紅
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大仏殿鴟尾と紅百日紅
二月堂に向かう東大寺大仏殿東南角の道端に、紅い百日紅(さるすべり)がある。
大仏殿大屋根の瓦色と金色の鴟尾(しび)そして百日紅の調和した構図が大好きだ。 
東大寺講堂跡。春は八重桜、秋は紅葉と色かたちを変えて展開する。



海龍王寺参道
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海龍王寺参道の百日紅
春の雪柳でよく知られた海龍王寺だが、夏は百日紅が参詣におとづれる人を迎えてくれる。
奈良土塀と深緑の中にひときわ鮮やかな百日紅が心に浸入る。




当麻寺東塔と百日紅の花
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当麻寺東塔と百日紅
当麻寺近くにある石光寺の百日紅も有名だが、当麻寺の三重塔と百日紅の調和は絵になる。

奈良には他にも石光寺、金剛寺、大安寺、薬師寺、聖林寺、法華寺、元興寺とまだまだ
百日紅で知られた寺は多い。 改めて復唱。

さるすべり寺中おほかた見えにけり


posted by ハマー at 17:41| Comment(0) | 奈良のこといろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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