2014年09月25日

万葉まほろば線、卑弥呼の眠る箸墓を行く


 JR桜井線は巻向駅と三輪駅の間で山裾に最も近いところを通る。宅地化の進む奈良盆地東域だがこの辺りに限っては目に見える変化を感じられない。
 今回選んだ撮影ポイントは天理市との市境に近い桜井市箸中。卑弥呼の墓と考えられている箸墓古墳のすぐ東側に広がる田圃の中。以前、彼岸花の咲く頃に行ったことのある場所だが、四年も前のこと。少し不安もあったが、訪れてみるとあの時の景色と少しも変わっていなかった。
 古墳と稲田、彼岸花は1700年前の景色と同じはずだ。違いといえばその景色を台無しにする? 105系の青い列車。今日初めて知ったことなのだがJR桜井線は平成22年3月13日よりJR「万葉まほろば線」という愛称に変わったらしい。それにしてもこの景色にピッタリなネーミングではないか。

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 最近、鉄道写真家中井精也氏の写真に心惹かれている。「ゆる鉄」と言うそうだが、これまでの鉄道写真には見られなかった個性的な表現は素直に共感できる。絵本の一頁を見るような夢想的(ファンタジック)な印象のものが多いが、作画の視点や構図はさすがプロと思わせる感性やカメラテクニックに裏打ちされている。とても真似のできない高いレベルにあるが、同じように撮ってみたいと思わせるそんな魅力に溢れている。今回撮った二枚の写真、TVで見た中井氏の写真を意識したものだが、「ゆる鉄」的に撮れただろうか。

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 巻向川の鉄橋を渡る万葉まほろば線105系列車

 万葉集第七巻柿本人麻呂歌集に巻向川を詠った歌がある。
「巻向の痛足(あなし)の川ゆ行く水の絶ゆることなくまたかへり見む」
 万葉集で巻向川は「あなし川」と呼ばれていた。今でも上流に穴師(あなし)集落がある。にしてもそ、この小流が万葉集に詠われた「あなし川」と知る人は、どれほどいるだろうか。 "巻向の村を流れる穴師川の行く水が絶えることのないようにまた来てみるつもりだ" 旅人の胸にはジーンとくる一首。
posted by ハマー at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 山の辺の道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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