2013年10月25日

斑鳩の里 法輪寺から

 法輪寺を訪ねるのはこれで何度目になるだろうか。境内に入ったのは二・三回に過ぎない。いつも寺の外から、景色の中の一点として見ている。しかし改めて三重塔を見ると、これこそが、塔のある景色こそが大和奈良の景色なんだなとつくづく感じる。

 法輪寺三重塔s-PA195314.jpg

「大和古寺風物誌」の中で亀井勝一郎氏は『古寺の風味のなかでもとりわけ私の愛するのは塔の遠望である。塔には不思議な吸引力がある。憧憬と歓喜を与えつつ否応なしに我々をひきよせるのだ。おそらく古人も、遥かに塔を望みながら誘わるるごとくひきよせられて行ったに違いない。』と書いている。

法隆寺、法輪寺と法起寺の三塔を合わせて斑鳩三塔と呼ぶ。『そのころ、法隆寺を訪れる人は、まず車窓から斑鳩の三塔を望見することから、胸の鼓動を早やめ、法隆寺によせる期待に胸をおどらせつつ、心の緊張を自覚させられたものである。それほどこの三塔の姿は斑鳩をおとずれる人の心に大きな感銘を与えてきたのである。』大和古寺巡歴(町田甲一)

かつては関西線(現・JR大和路線) 大和小泉の駅を出てまもなく三塔を望遠できたという。
数年前に乗車した時、車窓から法隆寺の五重塔を遠くに見ることができたが、レール沿いに建つ住宅やビルに視界を阻まれて良くは見えなかったと記憶している。今では、斑鳩三塔に対する感慨は本の中だけのことになってしまったようだ。

斑鳩に行くにはもっぱら奈良市方面から車で奈良県道九号線を南下するが、小泉の交差点を越え1.5kmほど行ったゆるいカーブの先に突然法起寺の三重塔が現れる。それを見た時の驚き、感動は幾度体験しても衰えるこ褪めることがない。「森のトンネルを抜けるとそこは斑鳩の里だった」みたいに。
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2013年10月20日

十三夜のお月見 奈良市高樋町にて

十三夜の月見が実は中秋の名月十五夜の月見が流れた時のための予備日だったとは知らなかった。陰暦の八月十五日(今年は9月19日)、例年この頃(九月中旬から十月初旬)は台風や秋の長雨の時季にあたり無月や雨月になることが多く、一ヶ月遅れの陰暦の九月十三日の月を十三夜とか“後の月”とよんで、お月見をする習わしになったという。
今年の十三夜は10月17日、薄曇りではあったが月を見ることができたのは幸運だった。翌朝からずっと今日も雨が降り続いている。週末には台風27号が再び東海地方を襲う気配を見せている。今年の気候ははちょっとおかしいのかも。

 十三夜の月PA175013.jpg

奈良市高樋町はすぐ隣の虚空蔵町に奈良では良く知られた弘仁寺という真言宗の古刹がある三方を山々に囲まれた谷間の町である。急峻な地形が市街地化を阻み今もなお緑濃い豊かな自然が残る。以前はここでも稲作が行われていたのであろうが近頃では放棄された田んぼや畑地が目立つ。狭くて傾斜の強い耕作地は専業農家としては成りゆかないということなのだろう。もう十年もすればこのあたりの誰も米作りをしなくなっているのではないか。かつて黄金色に覆われた道沿いの田んぼには、今は白やピンク、紅色のコスモスが咲き乱れる。

 高樋の山にかかる月PA175038.jpg

ところで、中秋の名月と十三夜の後の月は、どちらも見るのがよく、一方だけ見るのは、片見月とか片月見と言って縁起が良くないと言われているらしいが、なんだかんだと理由をつけて夜遊びをするための口実のような気がしますが・・・・・
posted by ハマー at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 奈良市南郊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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